ビジネスではいろんな課題や問題に日々直面し、私たちはそれらを解決しながら過ごしています。このような多様な課題や問題に対応するのはすべて関係する人々の判断と行動です。課題や問題の発生は自然現象によるものもありますが、ほとんどは人間が関与しており、その解決もほとんどが人間の判断と能力とその結果による行動に依存しています。言い換えればビジネスのほとんどの行動の基盤は人にあると言えます。
人にはいろいろな能力があり、それらの組み合わせで考え、判断し、行動しています。どのような能力があるか、それらの能力はビジネスの中でどのように機能しているのかを以下に認識したいと思います。
すべての出発点となる意識
ビジネスで何かを始めるとき、課題や問題の対応をするときにはその行動の出発点があります。そこには必ず人の意識が存在しています。何かをしなければならないという意識がなければ何も始まりません。ビジネスで問題意識をもって始めることは自ずとその目標を意識することにもつながり、その後のプロセスを考えるうえでも大切です。意識をもって状況や環境を認識し、発生要因や関係する事象を追及し、最後まで成し遂げなければならないという責任意識が生まれます。いろいろな形の意識がありますが、自発的な行動意識はすべての出発点です。
全体をリードする人間性
ビジネスを成功に導くのはリードする人の人間性です。特にその人の理性や倫理観に裏付けられた人格は参加する人々をひきつけます。客観性と協調性を基盤としたチームワークにより対話が進み、参加する人々相互の信頼感を高め、柔軟な議論と判断が多くの意見をまとめ計画を成功へと導きます。人間性は多くの人々をまとめリードする基盤となる重要な能力です。
柔軟な行動を可能にする思考・理解・判断力
ビジネスを取り巻く環境は多様な要素から成り立っていて、それぞれが複雑に干渉しています。課題や問題に対してその要因を判断するには取り巻く環境を認識、理解し、それぞれの関係や多様な意見を分析の上判断しなければなりません。類似の過去の事例は多々あり参考になりますが、外見は類似でも実態が異なる現象が多く、環境や条件を含むすべてが同じであることはほとんどないと言えます。事象の判断、要因の追及において必要なのは多角的な視点からの柔軟な観察を基にした思考力です。
判明した課題や問題にどのように対応するかの戦略の構築は、分析で得た状況知識を基本として発想力や創造力を活かして構築することにあります。これら一連の行動に関して自ら考える思考力が意思決定の重要な基盤となります。
目標を実現する行動力
戦略や計画は作成しただけでは何も生まれません。実現のための行動力が総てを決めます。それぞれの階層でのマネジメントのリーダーシップが欠かせません。組織全体の戦略に関してはトップマネジメントの意思表示が不可欠です。実行のための環境整備、実行予算の裏付け、人材の指名などを含む合意と支援が必要です。実行には多くの障害が発生しますが、それらの諸問題に対する解決力、調整力、必要によっては関連組織との交渉力など組織全体の能力を結集した指導力の行使が必要です。
思考と行動を支援する知識
計画の実行には行動を構成する多様な知識が必要になります。必要要件を満たしていれば一般的な基礎知識、社会知識、ビジネス常識だけで計画を実現することはできますが、適用する知識レベルが高くなれば、思考と行動を高いレベルで支援できることから、実行効率が向上し、成果目標も高く設定することができる可能性があります。高度な知識の適用は実現性と効果を勘案の上積極的に活用するべきですが、人材と運用能力、コストを含めた整合性の判断が必要です。組織内で不足する知識や能力は外部の支援に頼ることも可能であり、導入と運用の両面から判断して選択することができます。
変化の多い昨今では規則や法律、制度や権利などの変更に注意しなければなりません。特に自然環境への規制や人権的な側面での社会ルールの変化の確認が必要です。セキュリティーや倫理に関する組織内外の対応は十分な配慮が必要です。
戦略を遂行する技術力
知識と同様に経営システムの価値を決める要として技術力があります。計画した戦略をいかに高度に実現できるかも技術に依存するところが多いと言えます。技術には経営システムを実現する種々な概念や論理的なモデル、モデルを実現するシステム技術、それらの基盤となるインフラ、その中で稼働する種々の設備や機器、さらにはそれらの運用技術など多様です。これらの中には日常利用されている無数の道具や手法、利用技術も含まれます。これらが整然と機能するためにはそれらを運用する整合性のあるルールと優れた人々の能力が必要です。その中でも情報処理に関連する一連の技術は最も重要な基盤技術です。
思考を貫き行動をやり遂げる精神力
私たちを取り巻く環境は日々変化を繰り返しており、その中で運営されるビジネスも、ビジネスを変革しようとする試みも作成した実行計画が目標通りに進行することはほとんどなく、何らかの障害や困難に遮られながら進行するのが常であり、進行状況を確認し、評価と必要な修正を繰り返しながら推進することが実態です。当初の思考を貫き、目標とする行動をやり遂げるためには、緻密な行動とともに、精神力を集中し、忍耐強く行動することが求められます。全体的には計画通りに進行していても、局所的な障害が常に発生しますので、必要な修正を繰り返しながら乗り切っていく精神力と精神的な体力が行動を成功に導きます。知識や技術や行動力だけでなく、目標を成功に導くのはこのような精神力が重要な要素であることを認識しなければなりません。
能力の適用には外部の支援も
人にはこのように多様な能力がありますが、ビジネスにおいてそれぞれのポジションにある人々が必要な能力を保持していることが望まれます。すべての能力を満足に所有していることは難しく、ビジネスの場面において必要な能力は異なりますので、不足する能力は外部から支援を得ることも可能であり、場合によっては特別な能力が必要な業務自体を他人に委託することも可能です。注意しなければならないことは、他人や他組織の支援を得る場合にはあくまでも自分の意識のもとに機能と内容を理解したうえで支援を求め、自分の意識として決定し、決して相手の判断に一任しないことが必要です。総力を結集することが大切ですが、他人や他の組織との意識の通った連携と相互理解が重要です。
